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治療とその後の対応 [閉塞性動脈硬化症とは]

閉塞性動脈硬化症によって、大動脈や下肢の動脈に狭窄や閉塞がおきると、局所に貧血がおこります。歩けば下肢に痛みがおきて休めばと回復する。これが代表的な症状でした。

重症化してしまうと、安静時であっても痛みがおこり、下肢の潰瘍や壊死などがおきることがあります。そのまま放置すると下肢切断しなくてはいけなくなります。そうなる前に治療をするわけです。

血行再建術という、治療法があります。これは、大きく2つに大別されます。人工血管か自家静脈を使ってバイパスを行うバイパス術。カテーテルを用いて動脈の狭窄や閉塞部位を拡張させる経皮的血管形成術(+血管内ステント留置術)です。

いずれの治療を受けたにしても、術後は大切です。術式によって多少異なりますが、基本は同じです。


1.人工血管の保護

人工血管部の強い衝撃、圧迫・屈曲を避けるためいくつか、注意するポイントがあります。

 ・ゆったりとした衣服の着用
 ・急激に体をねじらない
 ・洋式トイレを利用する
 ・あぐら、正座をさける
 ・膝関節、股関節を90度以上屈曲しない


2.術後の合併症について

 閉塞性動脈硬化症は、比較的高齢なかたに多い病気です。そういうことから、年齢的に術後の合併症には注意が必用です。稀に糸が残ったり、人工血管そのものから感染したりするケースがあります。この場合、風邪など、ごくありふれた細菌が感染することもあります。患者本人や周囲の方も、普段からのうがいや手洗いといった、当たり前のことを習慣付けてください。


 また、これも稀に輸血が原因で、肝炎を起こすことがあります。潜伏期間は、1~5ヶ月程度なので、手術のこの期間に次のの症状が出た場合は、受診が必用です。
 
 体調が良くない
 頭痛がする
 食欲がない
 吐き気がある
 肌が黄色っぽい
 眠れない
 眼球黄染(白目が黄色くなる)


3.抗凝固療法について

ワーファリンという薬があります。抗凝固薬というものであり、血液をサラサラにして、血液中に血のかたまり(血栓)が出来ないようにする働きを持ちます。目的は、人工血管をつまりにくくするためですが、副作用があります。

血を固めない薬なので、出血しやすくなったり、いちど出血をおこすと止まりにくくなる傾向があります。そのため、怪我には要注意です。ひげそりも危ないので、「刃」のあるカミソリでなく電気カミソリを使ってください。歯磨きさえ危険です。乱暴に歯をみがくと歯肉から出血させる可能性があります。

ワーファリン以外にも、パナルジン、プレタール、オパルモンなどの抗血栓剤も、同様の副作用があります。ご注意を。

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症状から調べる病気とその原因

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  1. 閉塞性動脈硬化症ガイドライン
  2. 下肢閉塞性動脈硬化症の看護
  3. 閉塞性動脈硬化症の治療
  4. 症状の進行段階
  5. 足の切断は、どこから?

閉塞性動脈硬化症の原因と症状

・原因
病名が示すとおり動脈が硬化する症状。血管が詰まるなどで足の血液が循環しなくなり、最悪の場合は足の切断にいたる。原因とされるのは、糖尿病、高脂血症、高血圧、高齢、タバコ等。糖尿病などの合併症として現れたりする。冷え性の人はよりなりやすい。
・症状
しばらく歩くと足が痛くなって、それ以上歩けなくなる。 足が冷たい。足がつる。足がしびれる。 足の色が悪い。 足の傷がなかなか治らない。 ちょっとした打撲でも傷が大きくなったり、治りが悪い。 足の皮膚が黒ずんで欠損、腐ってくる(壊疽の)場合も。ちなみに「治りにくい創傷」を「難治性潰瘍」というが、閉塞性動脈硬化症が原因のものが「動脈性(虚血性)潰瘍」。
・同様の病気
急性下肢動脈血栓症
・年齢とともに発生する病気や習慣で病気について。
加齢や生活習慣病といえば、高血圧やメタボリック シンドロームが思い浮かびます。高血圧はコレステロールなどで血管が詰まる症状で、食事療法や運動などで改善・治療します。高血圧は、脳卒中や心筋梗塞など、ありとあらゆる病気になる可能性を孕んでいます。メタボリックも成人病の予備軍といわれ、そのまま放置すれば、糖尿病などを招きます。治療の段階に進む前に、しっかりと予防したいものです。
大動脈瘤や腰痛、または、自律神経失調症にも注意をしてください。

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